身長と遺伝は関係ない?父親と母親との相関性や子供の身長の計算方法は?
背が高い人の親(両親とも、若しくは父親か母親のどちらか)はやはり背が高い場合が多く、背が低い人の親は同じように背が低い場合が多い・・・
これって、私たちが人生の中で幾度となく実感していることですよね(#^.^#)
つまり、多くの人が「その人の身長は親からの遺伝で決まる」というのを信じているということ。
口に出さなくても案外ごく自然に肯定してしまっていたりします。
しかし、気になるのは「そういう場合が多い」という「多い」が、具体的な数字でいうとどのくらいの割合なのか、です。
世間の噂ではいろいろ言われていますよね。
そこで今回は、子供の身長が親からの遺伝とどのくらい相関関係があるのか? また、その関係は父親と母親でどちらがより多く関係する等の違いがあるのか?・・・といった点について、ご紹介したいと思います。
身長は遺伝子と関係があるの?父親や母親の遺伝との相関性は?
そもそも身長は親からの遺伝子によって決まるのでしょうか?
諸説がある中で最も有力なのは、子供の身長に親からの遺伝が影響する割合は思っているほど多くはなく、20~25%程度だというものです。
つまり、8割弱が遺伝以外の原因と考えられており、それによって身長が決定づけられているのだそうです。
遺伝以外の原因というのは、当ブログでもよく登場してくる「栄養」「運動」「睡眠」という成長のための3大要素ですね。
わかりやすく言えば、成長期に必要な栄養がバランスよく摂れ、よく運動し、ぐっすり眠っていれば、すくすく身長は伸びるはず、というわけです。
え?そうなの?親からの遺伝って割合的にそんなに少ない影響しかないの?・・・って思いませんか?
そうなんです、冒頭で触れた「背が高い人の親は背が高くって、背の低い人の親は背が低い」・・・これはかなり強く私たちの心に印象付けられているイメージにすぎず、実際は身長と遺伝のあいだに強い相関関係があるわけではないのです!
もしかしたら、私たちは羨望とコンプレックスが混じる心理が働き、その人の身長が高い原因を親の身長に求め、自分の身長が低いことを親のせいにしている(身長が高いことがコンプレックスならば、その逆の心理)のかも知れませんね。
では、親からの遺伝による影響が最大で25%として、父親と母親のどちらからの影響をより強く受けるものなのでしょうか?
これについていろいろ調べたところ、ハッキリ「父親からの遺伝の方が強い」や「母親からの遺伝の方が強い」といった明らかな傾向は見当たりませんでした。
よく顔つきで言えば、「女の子は父親似が多く、男の子は母親似が多い」といわれますが、身長に関しては当てはまらないみたい。
もちろん、様々な人が持論を述べていますので、「母親の身長が子供の身長を決定づける」という説もありましたが、根拠は示されておらず少し怪しかったですね(#^.^#)
しかし、IQなど知能に関しては、男の子は母親からの遺伝による影響を受けやすいというのが脳科学の世界の定説になっているのだとか。
これは知能の遺伝情報が乗るのがX染色体であり、男の子のX染色体は母親からきたX染色体しか発現しないという構造上の問題から明らかなようです。
一方、身長に関してはこういった情報は見つかりませんでしたので、父親と母親のどちらの遺伝が強く出るかは不確定な要素と考えて良さそうですね。
子供の身長の計算式はどうやって計算するの?
一方、身長に関する親からの遺伝は25%程度に過ぎないといいつつ、実は両親の身長を使って子供の将来の身長を予測する計算式が存在します。
あくまでも予想の範囲であり、「伸びてもこのくらい」という最大値を予測するもののようですが、背の高さに対してコンプレックスを持っている人にとってみたら神経質に気になってしまいますよね(^^;)
その計算式とは、これまた諸説があるのですが、最もよく用いられているものは次の通りです。
- 男の子の身長=(両親の身長の合計+13)÷2
- 女の子の身長=(両親の身長の合計-13)÷2
いかがでしょうか?
ご自身のケースに当てはめて計算した場合、当てはまりますでしょうか?
もちろん、予測なのでほとんどの場合に誤差が生じていると思われますが、この計算式の信憑性を裏付ける論文が存在することも事実なのです。
それは、2014年にアメリカで発表された身長の遺伝に関する論文です。
この論文ではマサチューセッツ工科大学とハーバード大学による研究データが示されているとのことなのですが、欧米人25万人を対象にした調査結果によると、身長を決定づける要因の80%が遺伝、20%が環境要因という結論が出されているというのです(゚д゚)!
最も有力な説は、先にご紹介した通り、親からの遺伝は25%程度というものですが、こうした調査結果もあるなら、素人の私たちはどちらを信用したらいいのかわからなくなりますね。
ただ、父親と母親の遺伝割合に関しては、どちらかに強い傾向があるわけではないというのが、子供の身長予測の計算式にも表れていますね。
男女の体格差として「13」の差し引きがあるものの、単純に両親の身長合計を2で割っています。
遺伝傾向に偏りがある場合は、このように単純に2で割ったりしないので、やはりどちらの影響が強く子供に出るかはケースバイケースということなのでしょう。
子供の身長に関する親からの遺伝について まとめ
子供の身長を決定づける遺伝要因の出現割合については、80%を占めるとする論文が発表されるなど諸説がありますが、今のところ最も有力な説は、20~25%程度というものです。
つまり、親の身長が低かろうと高かろうと、すべてが遺伝決定されるわけではなく、成長期における「栄養」「運動」「睡眠」といった要素が大きくかかわっているということなのです。
故に、私たちが気にしなくてはならないのは、考えても仕方がない遺伝的要素ではなく日々の生活。
そこに不足を生じさせることなく、規則正しい生活習慣を送るように心がけましょう。
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