祝・ノーベル医学生理学賞受賞!本庶さんがてがけたがん治療新薬「オプジーボ」とはどんな薬?
先週、連日各分野でのノーベル賞の受賞者が続々と発表されたところですが、そんな中嬉しいニュースが!
京大の本庶佑特別教授が、がん治療における新薬「オプジーボ」を開発したとして、このたびノーベル医学生理学賞を受賞されました。
実はこの新薬、従来の三大がん治療法(切除手術・抗がん剤治療・放射線治療)に加え、第4の治療法となり得る「免疫療法」における治療薬。
従来のがん治療で最大の問題であった脱毛や吐き気といった副作用がないことから近年とても注目されていた案件だったのです。
それがこの度、見事に評価されての受賞。 今後のがん治療にとって、とても大きな一歩となるものだったのです。
癌といえば、現在日本人の死因第一位に君臨する病であり、罹患する可能性で言えばだれにとってももはや他人事ではありません。
実際に自分や家族が癌になってしまったときのことを考えると、ぜひ知っておきたい情報ではないでしょうか。
そこで今回は、今話題の「オプジーボ」について、どういった薬なのか?どのような効果があるのか?また、お値段はいくらくらいするものなのか?・・・
などのあれこれをまとめてみたいと思います。 今後万が一が起きてしまった場合のご参考にして頂けたら幸いです(#^.^#)
第4のがん治療といわれるオプジーボにはどんな効果が期待できるの?
先ほど、癌は今や日本人の死因第一位になっていると述べましたが、芸能界をみても実に多くの方が癌で命を落とされましたよね。つい先日も女優の樹木希林さんが全身がんで亡くなられたばかり。
かつては「近親者に癌罹患者がいた場合に要注意」といわれていましたが、今はもう血筋がどうとかいうレベルではなくなってきています。
そんな中にあって、治療方法は?というと、がん組織とその周辺を外科的に取り除く切除手術や、抗がん剤で癌細胞をやっつけようという抗がん剤治療、そしてがん組織に放射線を当てることで消滅させる放射線治療がこれまでの主な治療方法でした。
しかし、こうした癌細胞を何とかしようとする治療方法に対し、近年注目度が上がってきていたのが免疫力の方を上げようという全く異なったアプローチからの免疫療法。
今回のオプジーボはそんな免疫療法の一つであり、私たちの体にもともと備わっている免疫力を向上させる実に画期的な治療方法だったのです。
詳しくいえば、がん細胞がもつ免疫に攻撃されないようブレーキをかける仕組みを解除するというもの。
これによって免疫細胞はがんに対してスピーディーに攻撃を仕掛けることが可能になり、末期と診断されたがん患者さんの癌が消滅するなんていうことも起きてしまっているのです。
但し、このオプジーボは全ての癌に効果を表すわけではないのだそうです(゚д゚)!
開発当初は皮膚がんと肺がんにのみ効果が認められるだけだったとか。その後少しづつ増え、現在は肺がん・腎がん・悪性黒色腫・胃がん・ホジキンリンパ腫・頭頸部がんの6種類の癌に対して効果的だといわれていますね。
そして、効果が認められた確率もそんなに高いわけではなく、わずか3割程度とのこと。
但し、現れた場合の効果は絶大で、余命半年と思われた悪性皮膚がんの患者の体からがん細胞が消え去ることもあるのだそうです。
3割という数字は決して高いわけではありませんが、自分自身の免疫力を強化しての治療だけに辛い副作用がないといわれていますので、試す価値は十分といえるのではないでしょうか。
喜んでばかりもいられない!?オプジーボ驚きの薬価とは?
とはいえ、この新薬「オプジーボ」。小野薬品工業から発売されているのですが、治療を受けようと思うと、結構費用がかかるようです。そう、薬価が高い薬なんです(>_<)
具体的にどのくらいのお金がかかるのかというと、開発当初のお値段は100ミリグラムあたりなんと約73万円!
これは患者1人当たりで換算すると年間約3500万円にも上る額なのだそうです。
しかし、過去何度も価格改定がなされ、現在は効果が認められている肺がん・腎がん・悪性黒色腫・胃がん・ホジキンリンパ腫・頭頸部がんの6種類の癌に対しては保険適用が認められています。
しかも現在は100ミリグラム入り一瓶の価格は約28万円から約17万円へ、20ミリグラム入りは約6万円から約3万5千円へと段階的に価格は下げられてきましたので、高額さ加減はちょっとマシになりましたね(^^;)
ただ、与量はその人の体重(体表面積)とがん種によって変わりますので、このお値段で済むというわけではありません。
また、保険が適用されてこのお値段ですので、乳がんなど保険適用外の癌の場合は全額自費。となると、誰でも受けられる治療というわけではなさそうですね。
がん治療新薬「オプジーボ」に関するまとめ
今回、ノーベル医学賞という華々しい賞を受けられた本庶さんのがん治療新薬「オプジーボ」は、従来の癌治療薬とは全く異なり、私たちの体に備わっている免疫システムを強化するという新発想のお薬であり、副作用がない画期的なものです。
しかし、まだまだ6種類のがんに対してしか効果が確立されていないせいか保険適用が認められておらず、まだまだこれから・・・という研究余地が残されています。
ただ、オプジーボの生みの親である本庶さんの著書によれば、「基本的にはどのがん種にも効くだろう」とのことだそうです。
早くどの癌に対しても効果が認められるようになるといいですね(#^.^#)