身長を伸ばすのに外科手術を行うって本当なの??イリザロフ法やISKD法って何??後遺症や費用などをまとめました。
身長を伸ばすための外科手術に「イリザロフ法」というものがあります。
どのような手術なのか、術法や費用、その他注意点等をご紹介しましょう。
身長を伸ばす手術として認知されるイリザロフ法とは?後遺症はないの?
イリザロフ法はロシアで生まれた治療法であり、日本や欧米で実施されている術法です。
ひざ下のすねの骨を切断して骨と骨との間にわずかな隙間を作り、創外固定器という装置を足につけて、上下に骨を引っ張ることで、その隙間に新たな骨を形成させる仕組みです。
1日1mmを目安として繰り返し骨を伸ばしていくことでひざ下の長さが長くなり、ひいては身長が伸びます。
骨が伸びるのに合わせて、周辺の皮膚や筋肉、神経なども伸びていきます。
骨の伸びとこれらの組織の伸びがついていくことが難しい場合は、なかなか思うように骨形成が進まないこともあります。
髄内釘(ずいないてい)を打つと強固になるので、全体重をかけて歩くことができます。
イリザロフ法の対象となる年齢は??
治療を受けることができるのは思春期後の骨の成長がストップした方となります。
男性で18歳以上、女性で16歳以上、上限は年齢が高くなるほど骨の形成と周辺の筋肉や神経の伸びが追い付かなくなるので35歳までぐらいの方が受けられます。
但し、施術を受ける条件に合致していればプラス5歳ほどまでは受けられることもあります。
イリザロフ法の治療期間は??
この術法は治療期間が長期にわたるので、治療日数に余裕を持って準備することが必要となります。
骨の伸び方には個人差がありますが、創外固定器を3~4ヶ月の装着して平均的には約5センチの骨延長となっています。
しかし骨の形成には個人差があり、なかなかうまくいかない場合には1年以上の治療期間が必要な場合もあります。
イリザロフ法の後遺症は??
施術直後、骨を伸ばす治療中ともにかなりの激痛を伴う覚悟が必要です。
後遺症としては、「関節の動く範囲が狭まったり、筋力低下が起こることで運動能力が術前の8割ほどに低下する」ことがあります。
また、骨を切断する際にできる傷痕とワイヤーやピンを刺した痕が残ります。
男性は足のすね毛で傷痕が目立たなくなりますが、女性は肌の色も白く目立ちやすい傾向があります。
さらに、命にかかわるような合併症を引き起こすことも皆無とは言えず、骨の切断時に適切な処置がされないことで起こる恐れがある「脂肪塞栓症」や、骨髄で感染症が起こる「骨髄炎」などの可能性もあります。
特に手術費用面で日本よりも安く施術を受けられるというような、安易な気持ちで海外でイリザロフ法の手術を受けるのは、このようなリスクが高いので避けるようにしましょう。
イリザロフ法にかかる費用は??
イリザロフ法の手術は、「各種保険適用外であり、自由診療」のもとでおこなわれます。
よって、治療費は高額となり両足で1000万円以上となります。
国内で施術している病院は数が少ないですが、海外での施術は医療水準の問題や言葉の問題などリスクが非常に高いのでおススメできません。
身長を伸ばす手術として認知されるISKD法とは?費用はどれくらい?痛みや後遺症は無いの?
身長を伸ばすための外科手術にはイリザロフ法のほかに「ISKD法」という手術もあります。こちらも手術方法ならびに費用、後遺症、痛み等をご紹介しましょう。
ISKD法はアメリカで主流となっている手術で、骨を切り取って骨の中に棒状の器具を入れます。
特殊な金属製の器具を磁力を用いた遠隔操作によって伸ばし、骨も一緒に引き伸ばす方法です。効果として、5~8cmほど背を高くすることが可能です。
ISKD法は足の外側を創外固定器のような器具で固定しないので、イザリロフ法よりも行動の制限や見た目から手軽である点がメリットと言えます。
ISKD法の心配される後遺症は??
前にご紹介したイザリロフ法よりも、新しい術法であるISKD法は、施術後何年か経過した後に、起こりうる影響について、まだはっきりとしたデータが残されていません。
骨の中に棒状の器具を入れるという外科手術のため、合併症や感染症のリスクも高いと考えられます。
また、「術前よりも運動能力が多少低下することや傷痕が残る」ことも知っておく必要があります。
ただし、骨を切った時の傷やピンやワイヤーの痕が残るイリザロフ法と比べると、傷痕の数は少ないです。
ISKD法に伴う痛みは??
イリザロフ法に比べると、ISKD法は痛みは多少少ないと言われています。
ただし、術中はもちろん麻酔を使用しますが、施術後、骨が形成されていくのに伴って、周辺の筋肉や神経も縦に伸びるため、無理やり引っ張られるような痛みは避けられないです。
ISKD法に関する費用はどれくらい??
イザリロフ法と同じく「各種保険適用外なので、費用はかなり高額」となります。
イザリロフ法よりも若干高額であり、両足の手術で費用は1000万円は超えます。
日本でISKD法を実施している病院は少ないため、リサーチをしてから十分なカウンセリングを受けて、施術を受けるかどうかを慎重に検討しましょう。
インターネット検索をすると海外でのISKD法を用いた施術が安く受けられるという情報がありますが、
- 言葉の問題や施術後のケアの問題
- 医療水準や衛生面などの問題
など日本で施術する場合と違い数々のリスクがあるので、価格にとらわれることなく冷静に判断した方が良いかと思います。