成長期のカルシウム摂取はこうありたい!吸収力を高めるポイントと注意点をご紹介します!
「子供の健やかな成長のために一番大切な栄養素は何だと思いますか?」と質問した場合、お母さんたちが一番に上げるのがカルシウムではないでしょうか。
そう、カルシウムは骨の主要成分。
成長期はその言葉通り、子供たちの体が一番大きく成長する貴重な時期なので、グンと背が伸びるためにもカルシウムは不足しないように摂りたい重要な栄養素なのです。
しかし、カルシウムはただやみくもに量をたくさん摂ればよいというものではありません。
一生懸命カルシウムだけを摂取してもあまり意味がないばかりか、かえって悪影響を及ぼす場合だってあるのです。
では、カルシウムを摂る際に気をつけなければならない点とはどのようなことなのでしょうか?
子供の身長の伸びに効果的に活かす摂り方や注意点などカルシウムの摂取にかかるポイントをご紹介していきたいと思います(#^.^#)
そもそも成長期にカルシウムってなぜ必要?またどのくらいの量が必要なの?
カルシウムは、医師や管理栄養士も共通してその重要性を指摘する栄養素ですが、その理由はまず骨や歯の主成分であるからです。
だからこそ、これから骨や歯が大きくなっていこうとするときに主成分の絶対量が不足すると育つものも育たなくなるため、世のお母さんたちはとても一生懸命カルシウムを子供たちに摂らせようとするわけですね。
でも、カルシウムが私たちの体に果たす役割はそれだけではありません。
骨や歯の材料としての直接的役割を担うだけではなく、脳や臓器の健全な機能を維持するサポート成分としても間接的に関与しているのです。
ゆえに、カルシウムが不足するとこんなことが起こってしまいます(>_<)
- 骨や歯がもろくなり、変形したり骨粗しょう症になる
- 脳の働きが低下したり、イライラしたり、神経が過敏になったりする
- 高血圧や動脈硬化などの疾患を引き起こす
怖いですよね。
成長期の子供はもちろん、大人だってカルシウムはしっかり摂らなければならないのです。
とはいえ、カルシウムといえば、古くから日本人の食生活では不足しがちだと指摘される成分。
厚生労働省が発表している食事摂取基準からすると、日本人の成人1日あたりのカルシウム推奨量が600mg〜800mgであるのに対して、近年の平均摂取量は531㎎と大きく下回る数値だとか。
魚離れが進んだ今日では、すべての世代で必要摂取量を大きく下回っていることが問題視されているのです。
しかも、カルシウムの必要量は年代によって違いがあり、特に、骨が一番大きく成長する成長期後半(12歳~18歳頃)にかけては、女子で650㎎~800㎎、男子だと800㎎~1,000㎎ものカルシウムが毎日必要とされています。
その上、カルシウムはいつでも蓄えることができるというわけではなく、10代前半までに最大量を摂り続け「骨貯金」をしておかなければ将来の健康に差し支えるといわれているのです。
それだけの量を食事だけで賄うのはなかなか大変なことですし、好き嫌いがある場合などはほぼ不可能に近いといえますので、サプリメントを上手に活用していくことも一つの有効な方法といえそうです。
カルシウムの補給は牛乳でOK?
食品からのカルシウム補給の方法として最も一般的なものといえば、牛乳。
牛乳には、コップ1杯200mlあたり227㎎という豊富な量のカルシウムが含まれていることもあって、幼稚園、小学校、中学校の給食では必ず1本出されますね(#^.^#)
実はこの牛乳に関しては、戦後の栄養不足の時代から完全栄養食としての過信が根強く残っていたため、「牛乳をたくさん飲めば大きくなれる」という噂がまことしやかにささやかれてきました。
だから、私たちが子供の頃は親にどんどん牛乳を飲むように言われましたし、今ももしかしたら「背が高くなりたかったら牛乳を飲みなさい」と子供に言っているご家庭があるかも知れません。
しかし、骨の成長にはカルシウムだけでは不十分で、他にもビタミンDやB、C、Kといったビタミン類や、マグネシウムや亜鉛、鉄、マンガンといったミネラル、タンパク質等たくさんの栄養素が必要であることが広く知られるようになってきました。
つまり、カルシウムは骨や歯の主成分として必要不可欠ではありますが、それだけで骨が作られるわけではないということ。
骨の形成と強化という直接的役割一つをとっても、カルシウムの単体摂取だけではあまり意味をなさないということなのです。
そして牛乳には、カルシウムの他には炭水化物やタンパク質、脂質、ナトリウムといった限られた栄養素しか含まれていません。
だから、いくら牛乳だけをたくさん飲んでも身長が伸びることにはならないし、骨を丈夫にすることはできないということなのです。
カルシウムを多く含んでいるという点では、有効な食品の一つではありますが、牛乳飲みで補給・・・となると、不足する栄養素が出てきてしまうため良しとはできませんね(^^;)
カルシウムと併せてビタミン・ミネラルを摂取する意味とは?
では、骨の成長にカルシウムと併せてビタミン類やミネラルが必要とされる理由について、もう少し補足させて頂きますね。 実は、ひと口にカルシウムといっても次のような種類があり、それぞれ含まれる食材も違えば体への吸収率も異なるといわれています。
- 炭酸カルシウム・・・干しエビや桜えびなどの甲殻類に含まれる
- アルギン酸カルシウム・・・乾燥ひじき、干しわかめなどの海藻類に含まれる
- カゼインカルシウム・・・牛乳などの乳製品に含まれる
- 乳酸カルシウム・・・乳酸と炭酸カルシウムを合わせて作ったカルシウム
- クエン酸カルシウム・・・クエン酸に炭酸カルシウムなどを合わせたカルシウム
- シュウ酸カルシウム・・・ほうれん草などに含まれる
- ヒドロキシアパタイト・・・骨粉
故に、よくあるカルシウムサプリメントも原料が何であるかによってカルシウムの種類が多少異なるということなのですが、いずれもそのままでは体への吸収があまりよくないため、腸からしっかり吸収するためにはビタミンDが、そして骨に定着させて強い骨にするためにはビタミンKが必要となるのです。
また骨の強化においては、ミネラルの一つマグネシウムも欠かせません。
つまり、カルシウムは確かに骨の主成分ではあるけれど、吸収が悪いためそのままでは体外に流れ出てしまうことも多く、骨の伸長や強化に活かすためには、数々のビタミンやミネラルと一緒にバランスよく摂取しなければならないのです。
だからこそ、成長期のサポートサプリは数多く販売されていますが、どれもカルシウム単体ではなく、ビタミンやミネラルが同時配合されています。
こうした配合成分は質の良いサポートサプリを見分ける一つの目安ともいえます。
効果的なサポートサプリを購入したい場合は、ぜひカルシウムの配合量と吸収を高めるサポート成分の配合成分をチェックし、ビタミンDやマグネシウムがバランスよく配合されているものをお選びいただきたいと思います(#^.^#)
カルシウムは過剰摂取による副作用も心配・・・
また、カルシウムは足りなくても多すぎても体調不良を引き起こす、いってみれば厄介な栄養素でもあります。
不足すると発達障害や骨粗しょう症、動脈硬化や糖尿病、関節リウマチといった病気を引き起こしますが、一方で、カルシウムだけを多く摂取しても、副作用として高カルシウム血症やミルクアルカリ症候群といった健康被害を引き起こしてしまいます。
具体的に言えば、便秘や下痢、口内の乾燥、口が乾く感覚、頻尿、持続的な頭痛、食欲低下、金属的な味覚、咽気・嘔吐、異常な倦怠感といった症状ですね。
さらには、尿管結石ができて尋常でない痛みに苦しむこともあるといわれています。
もちろん、牛乳を多く飲みすぎたくらいではこのような症状が起きることはなく、まずは過剰なカルシウムは体外に排出されます。
サプリメントで大量に摂取し、1日の上限摂取量2,300㎎を越えた場合に先のような症状が起こってしまうようですね。
何ごとも「過ぎたるは及ばざるが如し」。 1日の必要摂取量を目安に、かつ吸収を高めるビタミンやミネラルと併せて継続して摂っていきたいですね。
カルシウムを排出させてしまう危険な食べ物とは?
先に、近年の日本人の食生活はカルシウム不足が指摘されているとお伝えしましたが、魚離れとともにその原因として問題視されているのが、ファストフードやコンビニで販売されているジャンクフードの多用です。
なぜならば、ファストフードやジャンクフードには、カルシウムの排出を促す作用のあるリンやナトリウム、カフェインといった成分が多く含まれているから。
これらは少量であれば問題がなかったり、むしろ必要な成分であったりもしますが、多く摂り過ぎるとカルシウムを阻害する成分となってしまうのです。
具体的には、リンが多すぎると、腸内にリン酸カルシウムができ吸収されずに体外に排出され、カルシウムの吸収率が下がってしまいます。
こうしたリンはリン酸塩としてスナック菓子やインスタント食品、冷凍食品などの加工食品に多く含まれているので注意が必要です。
ナトリウムも同じ仕組みですね。
カフェインについては、利尿作用によりその他のミネラルとともにカルシウムを排出させてしまいます。
コーヒーによる影響はわずかですが、コーラなどの炭酸飲料にも思いのほか含まれていますので、飲み過ぎないよう注意を促したいところです。
しかも、成長期の中でも思春期後半の中学生以降になると、部活をするようになることもあり、間食にファストフードやインスタント食品、スナック菓子などを好んで食べがちです。
たまに食べるくらいなら問題はありませんが、頻繁に食べると、せっかく吸収したカルシウムが吸収される前にどんどん排出されることになりますので気をつけましょう。
カルシウムの摂り方に関するまとめ
成長期の重要な栄養素の一つであるカルシウムは、骨や歯の主成分である以外にも心や体の健康維持に必要な成分のため、1日あたり800㎎という相当な量の摂取が望まれます。
特に、身長が大きく伸びる成長期には骨の伸長と強化のために成人以上の量が必要とされますし、将来の健康を考えると、10代前半までに「骨貯金」をしておく必要があります。
しかし、現在の日本人の食生活では不足しがちな上、カルシウム単体では体への吸収率が悪く、せっかく摂取しても体外に排出されてしまいます。
故に、カルシウムを効率よく骨の伸長や強化に活かすためには、吸収を高めるビタミンDやKといったビタミン類や、マグネシウムといったミネラルと併せて摂取する必要があります。
サポートサプリを活用してカルシウムを補給する際には、カルシウムの配合量が十分であるかと同時に、こうしたサポート成分が配合されているかどうかもチェックされるといいですね。
そしてもう一点、カルシウムに関しては、リンやナトリウム、カフェインといった成分を摂り過ぎることによって体外に排出されやすくなってしまう点にも気をつける必要があります。
リンやナトリウムはファストフードやコンビニで販売されるジャンクフード、スナック菓子に多く含まれています。
思春期後半の中学生から高校生にかけての時期は、間食でこうしたものを食べがちなので多用しないように注意を促してあげたいですね。
因みに、特にカフェインの摂取については、覚せい作用が成長ホルモンが分泌される大事な睡眠を邪魔する原因にもなりかねないため、当ブログでも子供がカフェインを摂取すると身長が伸びないって本当?よく耳にする噂について調べてみました!で詳しくご紹介させて頂いています。
栄養面と同じくらい重要な成長期の睡眠に関する情報の一つですので、ぜひご参考にお読みいただければと思います(#^.^#)
カルシウムを摂取する場合には、吸収力を高めるサポート成分と排出を促す成分にちょっと気をつけてみて下さいね。