泰明小学校のアルマーニ制服問題を機に学校制服について考えてみました・・・
ここのところ、東京の公立小学校の制服問題がニュースやワイドショーで盛んに取り上げられていますよね。
これは、東京の銀座にある泰明小学校という歴史ある公立小学校(明治に創立されたのだそうです)が、標準服として用いている学校制服に今春からイタリアの高級ブランド「アルマーニ」を導入すると発表したもので、それについて「保護者の負担が大きすぎる」「導入に際して学校側からの説明が十分でない」といった苦情が区の教育委員会に寄せられたことから波紋を呼んでいる問題です。
このニュース、私も制服価格が一式8万円と聞いて「おお、小学校の制服で8万円かー・・・」驚き、その導入を決めたのが公立小学校と聞いてもっと驚いたのですが、さらにそこの校長先生のビジュアル・アイデンティティーや服育に関する持論を聞いてまたまた驚いてしまいました( ゚Д゚)!
この問題については、各界の著名人が意見を述べられているように、一般人である私たちのあいだにも賛否両論様々だと思います。
個人的には、「校長先生、思い切った問題提起をされたなぁ」とちょっと感心するところはあるものの、やはり「8万円はやり過ぎ」と否定的(^^;)
しかし、日本人の個性とかアイデンティティーの問題、経済格差からくる差別意識やいじめの問題など結構需要な問題が含まれていることでもあるので、これをいい機会として「学校制服」についてちょっと考えてみたいと思います(#^.^#)
学校制服の歴史って?またそこから見えてくるものとは?
一口に学校制服といっても、そこには詰襟やブレザー、セーラー服、イートン服(ノーカラージャケット)などいろいろな種類がありますが、日本に制服というものが導入されたのは明治時代、陸海軍が始まりだそうです。
そして、学校においては、学習院が最初。海軍士官型の詰襟制服が初めてということでした。
この時代は文明化によって和装から洋装へと日本人の衣服が大きく変化した時期。
なので、女学生にも制服が適用されたとはいえ、まだまだ和服が主流で、男子学生においても下は袴をはく人が多かったとか。
その後、大正時代に入ってからアパレル業界が制服を作り始め、男子学生にはそれまでの詰襟型制服だけでなく、現在のブレザー型に通じる「背広型」の制服が、女子学生にはセーラー服が生まれたようです。
こうした新しい背広型の制服を最初に取り入れたのは、東京慶應義塾幼稚舎といわれています。
詰襟型の制服が主流だった中で新しい背広スタイルを導入するなんて、おしゃれな学校だったんですね(#^.^#)
一方、詰襟制服の中でも個性を主張する気風も生まれています。
いわゆる「バンカラスタイル」と言われるものがそれで、「ハイカラ」と呼ばれる西洋風の身なりや生活に憧れる風潮に惑わされず、本当に大切なものを追求するという姿勢を表していたそうです。
おそらく、背広型を取り入れた学校からすれば、これからの新しい時代を見据えた上で、目指した人物像に合致したスタイルということだったんでしょうし、こうみてみると、そもそも制服には、それぞれのスタイルに込めた思いや個性が含まれているんですね。
しかし、その後の歴史を見ると、戦争に突入する時代から制服は連帯感を重視する統一服としての色合いを強めっていた感が否めません。
当時は男子学生はカーキ色の国民服、女子学生はモンペで統一されたわけですが、戦況が厳しくなってくると、制服のボタンなどに使われる金属も武器をつくるために差し出さなければならなかった事情、ひたすら「お国のために」戦力になることを求められた時代背景を考えると、日本が個性に乏しい国と言われる元凶がここにありそうで何とも言えない気分になってしまいました。。。
さらにその後はというと・・・ 戦争が終わって高度成長期に入り、制服はファッション性を帯びてきます。
一時期は、着崩し文化とでも言いますか、セーラー服は足首までもある長いスカート、学ランはラッパズボン、長ラン、短ラン・・・と、学生自身が改造して変形させるのが流行り、不良スタイルが確立された時期もありますが、平成も30年を迎える今日は、さらにファッション性を重視する風潮が続いています。
その中で起こってきたのが、今回の「アルマーニ制服」騒動なんですね。
学校制服のメリット・デメリットを整理してみました
では、そもそも学校に制服が存在することでどのようなメリット・デメリットがあるのか、ちょっと整理してみましょう。
【メリット】
- 毎日コーディネイトを考える必要がなく楽で経済的
- みんな同じものを着るので経済的な格差が表れにくい
- どこの学校か一目でわかるので、管理する側からするとやりやすい
【デメリット】
- 個性がない
- 材質によっては家で選択できないので不便(結果、あまり洗えず不衛生)
- 拘束感・閉塞感を感じやすい
- 性同一性障害児への対応が難しい
一応、一般的な意見で整理してみましたが、いかがでしょうか?
親目線から個人的な感想を言わせていただければ、「制服があるから助かる」というのが本音です(#^.^#) うちは子供が女の子で着るものにうるさいから余計にそう思うのかもしれませんが、学校に行くのが私服だったら・・・と考えると、「この服はこうだから、ああだから」とうるさく注文してきそうで、ややこしくてたまらないと思うんです。
それに、まさか固定のパターンいくつかで済むわけないから、経済的にもお金がかかりそう(>_<)
この点、決まった制服があるというのは、本当に楽なんです。
ま、これは制服が中学校、高校といった場合で、もしも大きく体が成長する小学校でとなると、何回制服を買い替えなきゃいけないんだろう?モノによってはかえって不経済かもしれませんね。(ここに、アルマーニという高額な制服に対する反対意見の理由がありますね)
そう、本来、制服は親の経済的負担を軽くする意味でありがたいものなのです。
確かに、デメリットにある「個性」の問題は一理あるとは思いますが・・・
でも、それって制服を着ないときの私服でいくらでも発揮できるのではないでしょうか(#^.^#)
通学している時間はその学校の一員として存在し、放課後や休日は個人として存在する、その中で自らの個性を育んでいくというのは両立しないのでしょうか。
性同一性障害児の制服着用についても、現時点では「男の子は男子用、女の子は女子用」という画一的な対応しか取れない学校が多いようで問題は山積みですが、学校側がもっと事情を考慮し許可一つ出すだけで解決するケースも多いと思うんです。
要は、何のための制服なのか?をもう一度よく考えてみるときに来ているのかもしれませんね。
学校制服のお値段の相場は?
ここで、ご参考までに「そもそも制服の相場はいくらくらいなのか?」について調べた結果をご紹介したいと思います。
私立の学校となるとピンキリな部分がありますので、ここでは公立の学校についてご紹介しますね(#^.^#)
【公立中学校の場合】
- 制服ブレザー(上) 13,000~20,000円
- 制服(下)ズボン・スカート 12,000~18,000円
- シャツ・ブラウス 2,000~4,000円
- 夏服ズボン・スカート 6,000~8,000円
- 夏服シャツ・ブラウス 1,800~3,000円
- 体操服(冬物上下) 6,000~8,000円
- 体操服(半袖・短パン) 5,000~7,000円
- 上履き(含 体育館シューズ) 2,000~5,000円
- 通学カバン 3,000~10,000円
【公立高校の場合】
- 制服ブレザー(上) 15,000~30,000円
- 制服(下)ズボン・スカート 15,000~30,000円
- シャツ・ブラウス 3,000~4,000円
- 夏服ズボン・スカート 6,000~8,000円
- 夏服シャツ・ブラウス 3,000~5,000円
- 体操服(冬物上下) 8,000~15,000円
- 体操服(半袖・短パン) 7,000~10,000円
- 上履き(含 体育館シューズ) 3,000~7,000円
- 通学靴(ローファー) 7,000円前後
- 通学カバン 3,000~10,000円
制服のある学校では、体操服も靴も鞄も指定されますので、すべてそろえていくとこんなにかかることに(>_<)
つまり、公立の中学校でも最低で5万円、公立高校の場合で最低でも7~8万円はかかるのです。
洗い替えを買うとなれば、さらに費用がかさむ・・・経済的に楽なはずの制服ですが、まとめて購入する最初にはこんなにお金がかかってしまうんですね。。。
学校制服に関するまとめ
あー、こうしてみると、子供が中学校に上がるときや高校に進学するときにはお金がかかるものですね(^^;)
それでもやっぱり、制服があったほうが助かるなと私は思ってしまいます。
でも、泰明小学校の問題については、やっぱり「うーん」と思ってしまいますね。
公立の学校で、制服の着用は強制ではないとされていますが、聞くところによると、そうはいってもほとんどの子が標準服(つまり、制服)を着用しているとか。
そんな状況の中で2万円程度の費用が一気に8面円に引き上げられたら、「なぜ、そこまでして?」って親側は思ってしまうのではないでしょうか?
だって、ビジュアル・アイデンティティーを小学生が正しく理解できるとは思えませんし、その理解の方法がこれじゃないといけないのかな。
「イイものを着せてその自覚を持たせたい」という思いが校長先生にはあるのかもしれませんが、公立でそれをやっていいわけではないような気がします。
他のお母さん&お父さんはどのように感じられたのでしょうか?